珊内川~珊内岳~スサノ沢 2016.9.2

メンバー:CL宇野(吉)、渡邉(あ) タイム :9/1 15:00小樽集合 18:00珊内川第一マッカ沢橋着~C1       9/2 3:30起床 5:30入渓 6:30Co240m函 12:00珊内岳 17:30第一マッカ沢橋着

今回は当初、クワウンナイ川を予定していたが、台風の影響で天人峡は通行止め、転戦先として日高も考えたが、見事にアプローチできる林道がなくなってしまった。こうなると、影響の少ない道央、道南方面の沢しかない状況であった。日程的に積丹の珊内川に行くことにした。珊内は名前が前から気になっていたのと、函好きの私にとっては山と谷の写真に魅かれていた。こんな機会でもないと、なかなかこの辺りでは登らないだろうと、遠征気分で逆に楽しみになってきた。  小樽で集合して乗り合いで現地まで。入渓地点で適当にテン場を探して沢沿いで焚火に興じる。やはり沢での焚火は最高で、これだけで半分は満足したようなもの。おいしい鍋と、炊き込みご飯で酒が進んだ。結局、かなり飲み過ぎ、寝た記憶もなく、久々の二日酔いの山行となった。  天気もまずまず、水量も少なめで、台風の影響もなく幸先がよりよい。水は澄んでとてもきれいだが、頭がふらふら。途中、釜の滝が数箇所あるがへつりで問題なく通過する。10mの直瀑はさすがに直登できず、定石通り左岸を巻くが、泥壁が立っていてお助けを出す。その後、函地形が出だすが、敢えて中央突破し、楽しく進む。cont.240m二股直後に例の函滝が現れる。流れに逆らえず高巻いたという記録もあったが、なんの問題もなく通過、後続を引っ張る。とても快適で楽しい!途中、滑も美しく、このまま源頭まで行ってくれればという願いもむなしく、上流は荒れた渓相が続き、引き返そうかと話をするが、せっかく来たので頂上まで行こうということになった。この沢の本当の核心は最後の根曲がり竹との格闘であった。1時間程の藪漕ぎとのことであり、水の枯れた沢形を根曲がりのトンネルを延々と行き、そろそろ稜線だし、もう終わりかなと思ったが、ここからが本番で、過去に味わったことがない根曲がりとハイマツのミックス漕ぎはかなり厄介で、日高のハイマツが恋しくなる。時折木に登り頂上を確認しながら進むが、なかなかのものであった。   ついに頂上!だが、三角点を発見するのに苦労したが、やっと視界も広がり、一安心。森林限界のないこの辺りの山は、この藪が普通なんだろうなあとある意味納得する。  さて下山、当初は珊内川をドボンして泳ぎながらというのを楽しみにしていたが、藪漕ぎと延々の荒れ沢の下りを考えるとスサノ沢を降りることにした。2~3時間の藪漕ぎとガイドにはあったが、距離と下りであることを考えるとそこまではと判断してスサノ沢に向かった。やはり、背丈を越える根曲がり、ハイマツ、灌木のミックスはなかなのものだったが、感覚と木登りでの確認を頼りに下山開始。予想通り1時間半ほどでいいところまで行き、そこからスサノ沢めがけて下ると程なく沢形が現れ、楽になった。しかし、荒沢は420m二股の川幅が広くなるまで続いた。二股の滑滝、途中の滝も巻いて下れ、函滝はすべてドボンで通過できロープは必要ない。スサノ沢出会いから調査用の目印より林道に上がれ、そのまま車まで。実に12時間の長旅となった。 日高とは違い傾斜がなく、標高を稼ぐには時間がかかった。実質の核心部(お楽しみ)はcont.400mそこそこなので、頂上にこだわりがなければ、いいとこ取りでこの辺りで下山するのも手かと思った。この近辺では須築以来で、初めての積丹山塊の沢だったが、水はきれいで函も楽しくまた来てみたい。(記:宇野(吉))

三転した計画も、出発前日に前代未聞の台風被害で吉彦氏以外の家族は避難所に避難しており、国道・高速共に寸断され、大陸の孤島孤となった帯広市。これで完全に後を絶たれた・・・と意気消沈していたが当日の朝7時、「帯広から襟裳経由で積丹まで行くので、明日日帰りで珊内川サクッと終わらせましょう」と吉彦氏から連絡あり。って来るんかい!!!と激しくツッコミ。襟裳経由って!!なんという男気だ。結果、午前9時過ぎ高速の通行止めが解除され襟裳経由ではなく小樽で落ち合えることになった。 C1、前夜祭では焚火で盛り上がり過ぎ、大量にあったはずのアルコールを全部空にする惨劇を起こしてしまう…。あ~あ、明日は12時間行動なのに…。 核心のゴルジュも激流で押し戻されるという記録をチラホラ読んでおり、中を泳ぐ吉彦氏をハラハラ・ドキドキ見守っていたが・・・着いとるやないかい!!!約20秒ほどですんなりゴルジュを通過し、先の岩に乗って私を迎え入れるサインを出している。核心知らず!!ズッコケそうになってしまった。私はロープで引っ張ってもらい悠々とゴルジュを通過させてもらった。 方向感覚も距離感も奪われる視界がない根曲がり竹のヤブ漕ぎは強烈で精神的にかなりヤラレ、苦労した割には地味なピークだったが、思い返すと大変だっただけに忘れがたい山行となり、半泣きしながらもそんな環境を実は楽しんでいたように思う。 吉彦氏はクライミングでも冬山でも常に落ち着き払った動きをするが、特に沢では落ち着きの中にも躍動感がありピョンピョン岩を跳ねていく後ろ姿は大変清々しく、いつか私もあんな歩き方に近づいてみたいと思う。(記:渡邉(あ)) 1 2 3 4 5 6 7 8 9