1839峰 2019.1.4~1.7

1839峰 2019.1.4~1.7

CL李家、SL・朝食担 佐藤(亮)、シェフ志水、菅原、宇野(吉)、佐藤(あ)、星野(千)、他1

1月4日(金) 9:30ダム横駐車帯発 10:55札内ヒュッテ 13:20二俣出合着~C1設営 1月5日(土) 6:30C1発 10:40Co1300 12:30岩稜帯 13:30夏尾根頭着~C2設営 1月6日(日) 6:50C2発 9:35ヤオロマップ岳 12:15C2・3着  1月7日(月) 6:45C2.3発 11:45札内ヒュッテ 12:50ダム横駐車帯着 

昨年の9月28日、札幌で山野井康史さんの講演会があり、5人の隊員が集まった。講演会後には”つる”で懇親会。その時に、次の冬のまつりは孤高の鋭鋒〝ザンク″はどうか?と盛り上がり開催が決定した。 志水シェフの食テーマは「だし(出汁)」。

1月4日(金) ダム横に駐車。去年のカムエク崖尾根に引き続き、トンネル歩きからスタート。去年は雪が深くトンネルとトンネルの間はスノーシューを付けたり外したりで忙しかったが、今年は雪が少ないのでつぼ足で行けた。真っ暗闇のトンネルも、アスリート軍団は闘牛のように突進している。赤いウエアが赤いハンカチ代わりになっている説浮上。志水先生のザックは27kgだそう、たくさんの調味料が入っている。 心配した沢の徒渉も事前に宇野さんに偵察に行ってもらった情報の通り、コイカクシュサツナイ沢は渇水状態、積雪も足首程度で初日は全行程つぼ足となった。登山口までは計画より遅れ気味だったが、コイカク川に入ってからは前回モード、アスリート軍団が物凄い勢いでラッセルしてくれ、予定の2時間近く早くC1予定地、二股出合着。時間が早いので、1300mまで上がる案も出たが、これから上がっても8人分の水作りに時間がかかるため、沢から水がくめるここをC1とし、テントを2つ設営。 だし:1日目:志水シェフは脱水気味の隊員を気遣い、昆布でだしを取ったお湯を一人一杯ずつ飲ませてくれ、だしを取ったものでタスマニア牛のしゃぶしゃぶ、次に「舞妓はんヒーヒー鍋2019(ホルモン・ニラ・キャベツ・舞妓はんヒーヒーラー油入り)」と9号の米。山で二段階の夕食なんて贅沢過ぎる。1年ぶりで大変盛り上がる宴。

1月5日(土) 主稜線に突き上げるまで7時間あまり、バカ尾根と格闘し続ける1日となった。笹の上に支持力の全くない雪、いわゆるシュガースノーが乗っかっており、とにかく足場は決まらない。アリ地獄状態に苦しめられた。スノーシューの刃は食い込まず、一歩進んで三歩ずり落ちる。ブッシュを掴み、もがき苦しみながらなんとか登り、ふくらはぎも二の腕も悲鳴を上げてくる。おまけに下部は気温が高く、脱水にも苦しめられた。そんな中、ラッセルが生きがいのアスリート軍団は興奮しながら胸ラッセルに向かっている。そして、すごい突破力で次々と難所をクリアしていく。徐々に尾根が顕著になり、風が強く出てくる。夏にフィックスロープが張っている岩稜帯手前でアイゼン装着、岩稜帯は少し右から慎重に登り、夏尾根頭に出ると「待ってました!」と言わんばかりの烈風。これが日高だ、と不謹慎ながら嬉しくなる。曇で景色はほとんど見えない。雪庇は小さく、これ以上進んでも雪洞は掘れなさそうなので、夏尾根頭から少し下りたところをC2としテントを設営、今日から二泊するので頑丈なブロックを積んだ。 だし2日目:椎茸でだしを取り、一人一杯ずつだし汁を飲んで水分補給。大きな鶏もも肉のタンドリーチキンと黒千石とキヌアの炊き込みご飯。タンドリーチキンはガラムマサラで味付けされていて辛旨~。リーダーは汗が噴き出て食べれない。楽しい宴。明日の天気は終日強風予報。夜のうちに30cm程の積雪。

1月6日(日) 物凄い風の音と寒さで眠れない夜だった。風でテントが揺さぶられる度に、水滴が顔に降り注ぎ冷たい。強風の中、スノーシューで出発。楽しすぎた昨夜の代償(二日酔い)でただでさえ大変な行程なのに自ら負荷をかけてしまう。尾根が細いので、風の息を縫って慎重に歩く。大きなアップダウンはないが、落ちたら助からないなーという場所が数カ所、スノーシュー幅の細い場所もありスリリング。烈風のヤオロに到着し進退を相談。風は13時がピークとなり、それからも弱まる予報ではない。時間の余裕もないため、ヤオロからザンク側に少し進み、みんなで村岡さんにご挨拶をして引き返す。稜線はブリザードが吹き付け、冷凍人間となる。ヒラヒラになってテンバに戻り、夜を安全に過ごすため入念にブロックを再補強。顔面凍傷者多数。 最終夜のだし:鰹節。その中に、味噌とすり胡麻一袋を入れたお汁と、サンマと銀杏の炊き込みご飯(いくらをトッピング)9号。入山3日目、疲れが溜まっている中で、この純和風の食事は感動した。全員お腹いっぱいだと言うけど、志水先生から実はこれも作る予定だった、と大きなカマンベールチーズ2個やお好み焼きの材料など次々食材が出てきて、結局ほとんど食べ・呑み尽した。宇野さんからはコッヘルに入れられたシフォンケーキ(去年はつぶれてしまったので大事に持ってきてくれた)にホイップクリームをしぼり、みんなで子供のように食べた。話は尽きない。明日の天気予報は終日晴れ、風も弱い予報。

1月7日(月) -25℃、寒さで全員寝不足の朝。昨日の学習をせず、そんなに呑んだ記憶はないのに、今朝も二日酔いで朝ご飯が食べられない。一足先にテントを出たリーダーの「山見え始めてるわ」の声に、急いでパッキングし外に出る。モルゲンロートに輝く美しいザンク、ペテガリ、「これぞ日高」という細い稜線がどこまでも見えて胸が詰まる。景色を見ながら撤収作業。今日がアタック日だったら・・・。東側の斜面のハンノキの枝が一面赤く染まり、忘れがたい光景を頭に焼き付けさせてくれた。後ろ髪引かれまくりでこのまま日高の亡霊になりそうだった、アイゼンを履いて下山。夏尾根頭でたくさん写真を撮り、岩稜帯はフィックスロープを使い慎重に下りる。樹林帯まで下りると、つぼ足となりアスリート軍団は闘牛に戻り下山突進。足を車輪のように一生懸命動かすが、闘牛達の姿はいつの間にか見えなくなった。最後まで個性・元気が過ぎるヤセ尾根隊員であった。沢に降りてもみんなが物凄い速さで歩いていく。あっという間にダムに着くことができた。予定より1時間早く下山し、嵐山で入浴し解散。 たくさんのお酒とおいしいご飯を背負って、行きたいと思う山に行けること。仲間に恵まれて幸せです。

1月4日    

1月5日      

1月6日      

1月7日