層雲峡アイスクライミング滝4つ 2015.03/14

2015.03.14  層雲峡アイスクライミング滝4つ(ライマン~錦糸~雲井~銀河の滝) L石井、渡邉あ 0600銀河の滝P集合-0610覆道P-0740ライマンの滝-0810石井終了点着-0847渡邉着-0915取付着-0945錦糸の滝-1000石井終了点-1027渡邉終了点-1040取付着-1215雲井の滝-1235石井F1着-1330石井F2着-1430石井F3着-1510渡邉F3着-1540取付着-1730銀河の滝着-1805F1石井着-1815F1渡邉着-1830取付着-1900銀河の滝P着 

14日3時に起床して層雲峡に向かった。 滝4つの計画だったが、ラッセルにやられ、滝3つ+1ピッチを登って時間切れだった。 しかし。充実した山行が出来て本当に楽しかった。 これだけのピッチを全てリードで登るとフクラハギが痛くなり、最後のワンピッチはフクラハギが悲鳴を上げていた。 今回はそれぞれの滝へのアプローチで腰までのラッセルがあり苦労したし、雲井の滝のF2、F3での胸ラッセルでは本当消耗した。 今年はアイスクライミングに何度も行ったけれど、1本の滝では早く終わってしまうので、2本の滝を継続して登って来た。 滝を何本も登ることで、長いバリエーションルートを登るトレーニングになっていると思うが、今回、フクラハギが痛くなったのでまだまだ修行が足りないことが判った。 今回はラッセルに泣かされ滝4つは成らなかったが、来期にリベンジしたいと思う。 山行後、会の役員会に出席し、自宅に戻ったのは15日0時30分過ぎ・・・全行程21時間? (石井)


この1day4滝継続登攀は札幌Hクラブの会報に短いが記録が載っていて、初めて読んだとき「こんな山行計画の立て方があるのか」と大雪山寝ないで縦走と同じくらい衝撃を受け、強烈に記憶に残っていた。まさか今シーズン自分がそれに挑戦するとは少し前の私は知る由もない。 突如石井さんからこの計画を持ちかけられたとき、「アイス1年目のテンションかけまくりの私にこの先輩は一体何を言っているのだ?」と固まったが、ライマン以外は今年連れてきてもらい登っているので全く太刀打ち出来ない訳ではない気がしたのと、何度も読み返したあの記録に挑戦できるチャンスを棒に振るうのは絶対にもったいないので、やりますと即答した。 今回、挑戦にあたりイメージトレーニングをした。イメトレと言っても石井さんが全リードをして、私は後から登っていけばいい殿様待遇である。石井さんリード、渡邉スムーズにフォロー。スムーズにフォロー、スムーズに・・・私さえスムーズに登れれば、できる。 6時に銀河の滝駐車場集合。銀河Pに石井車をデポし、渡邉車で覆道ヘ移動。 週半ばにドカ雪が降り、覚悟はしていたが深くて湿った雪のラッセルで、この先の取付きを想像するとゾッとして心が逃げそうになる。(この日他パーティの入山はなく、全ラッセルとなった) 7:30疲労困憊でライマンの滝取付き着。なんと1時間20分もかかってしまう。 今回の山行はトランシーバーで交信し合い、メインロープのシングル60m1本と渡邉がバックロープを付けて登っていくこととなる。休んでいる暇はないので速攻でセットして7:40石井さんリード開始。終了点着と交信があり、緊張しながら登っていく。アックスが一発でガチ効きで、順調に終了点へ。これに満足している場合ではない。速攻で懸垂して錦糸の滝へ移動。 9:30錦糸の滝取付き。 準備中、ふと顔を上げると既に石井さんはリードをはじめている。錦糸は1月に来た時よりも、氷が階段状になっており、大変登りやすい。が、取付きに戻ると足の裏がこむら返り、ツムラ68番接種。懸垂にて取付着後、石井さんはパンを食べているが、私は後片づけに手間取りチョコとか適当に口に放り込むが十分な栄養補給が出来ない。もうだいぶフラフラになりながら雲井の滝へ移動。取付きまで長く、もうラッセルが辛い。重たいザックを捨てていきたいくらい疲れている。 12:00雲井の滝取付き。 ここがスムーズに終わったら先は見える、と石井さん。私もそう思う。F1、渡邉の手袋すっぽ抜けて下まで落としてしまい、大ショック。ポケットに入っていた夏用手袋でなんとか頑張る。F2、F3は石井さん胸ラッセルとなる。渡邉後ろから呑気に応援。夏用手袋はもうベチャベチャだが、アドレナリン爆発で冷たさを感じない。F4ではテンションかけながらなんとか終了点へ。取付きに戻り、石井さんにオロナミンCを差し出すが、「そんな効かないドリンク飲みません」と断られる。効能の期待ではなく、これは気分転換ですヨ!!またこむら返り。もうツムラ68番はない。 17:15銀河の滝。 目の前にデーンと銀河1段目があるのに疲れ果ててもう取付きにさえ辿り着けない。石井さん全ラッセルとなる。ここまで疲れ果てているのに、雲井の滝で終わろうとは二人とも微塵も思っていない。もう完登は諦めつつあるが、とりあえず行く。己との戦いなのか、何と戦っているのかもうわからない。取付きに着いて今日初めての小休憩。やっとパンを食べる。既に暗くなり始めているのでF1で終了することで合意。石井さん、ここならスクリュー3本でいいな、と言いながら登っていく。あっという間に見えなくなった。 「終了点が見あたらないけど、とりあえず登ってきてください。1P目終わったらクライムダウンします」と石井さんから交信が入るが、クライムダウンしたことないし、この真っ暗闇の中、フラフラの状態でそんなことしたら、取付きで冷たくなった状態で発見される自分が容易に想像できた。「その辺の木で終了点作ってください、そこから懸垂したいです」と図々しい渡邉。「終了点作りました」と交信。申し訳ございません。完全に真っ暗。見えるのはヘッドランプで照らされる目の前だけ。自分の荒い呼吸が聞こえ、夢の中みたいな変な感覚になる。ふくらはぎがもう限界近くなっていてプルプル震える。石井さんのヘッドランプが見えたときは心底安心した。本当にスクリューは3本だった。太い木を支点にし懸垂で取付きへ。真っ暗闇の中、長靴で渡渉し駐車場へ。長い長い一日が終わった。これから役員会という石井さんを見送っているとき3回目のこむら返り。

完登は出来なくて残念だったが、悔しさはあまりない。めちゃくちゃハードで、疲れ果てたけど、終わってみると充足感で満たされた山行だった。 1day4滝は氷を登る技術だけでなく、登る以外の水平移動間をラッセルする体力も備わってないといけないし、素早いロープさばき、滑り降りるような懸垂下降、いかに早く準備・後始末をするか、ベストタイミングの栄養補給など、総合的な強さ(?)がないと成功しないということもわかり、アルパインライミングの要素がふんだんにあった。たまに我に返り、なんでこんなことしてるんだろうと浮かぶ疑問符も打消し、ただ4本目の銀河に辿り着くことだけを考えていた。 大変、大変、いい経験となり、大変楽しかった。 確実に1day4滝成功させるにはもっといいパートナーが居ただろうに、新人を鍛えようとしてくれたのか、ただの思いつきか、はたまたただ単に4滝リードしたかっただけなのか、石井さんの真相は不明ですが、この計画に挑戦させてもらえるチャンスを頂いて本当に本当に感謝しています。やっている最中はハードすぎてもうしばらくこんなことしたくない、と思っていましたが今はパラグーフォールをたくさん登り修行を積んで、来期またリベンジしたいという意気込みです。(また来年も全リードでお願いします・・・) 全リード、ほぼラッセルし通し、本当にお疲れ様でした。VIVA、強い先輩。ありがとうございました!! (渡邉あ)

ライマンの滝  ライマンの取付きでバテバテ ライマンの滝取付きでバテバテ ライマンの滝  雲井の滝F1  雲井の滝F2  雲井の滝F2  雲井の滝F4  薄暗くなり始めた銀河  銀河F1終了点へ 取付きへ  真っ暗闇の渡渉 真っ暗闇となった。