化物岩~カミホロ右クロアール 2015.3/28~29

化物岩~カミホロ右クロアール 2015.3/28~29 CL石井、渡邉あ

0700登山口P集合 0915化物岩取付き着 09301P着 10002P着 1100頂上着 1200取付き着 1345中央陵基部着 1520雪洞完成 0500起床 0730雪洞発 0900取付き着 09251P発 10232P着 10503P着 1120稜線 1140カミホロ頂上 1230雪洞着 1450登山口P着

3/25-26日の計画を延期した甲斐があって晴天、無風の初日、翌日右クロアールで風あり。 化け物岩左ルートと上ホロ右クロアールを予定どおり登った。 どちらも楽勝、カムイ岩で登っていると難しく感じないね。 雪洞の泊りが始めての渡邉さん、作るに2時間の予定だったが1時間30分で そこそこの雪洞が完成、でも天上の仕上げにはこだわる。 二人用には広かったが(何故か作ると広くなるよね。)快適な雪洞泊できた。 (石井)

快晴無風、朝から汗が流れる春の陽気のカミホロ。 安政火口レリーフにスキーと泊り装備をデポし、化物岩取付きへ。9時取付き着、登攀準備をしていたらなんと石井さんのヘルメットがコロンコロンと転がり、一気にレリーフ下までいって豆粒サイズになってしまった・・・。時間もまだ早いし取りに行くのだろう、と思ったら「リードは落石の心配はないからヘルメットなしで行きます」とのこと。落ちる心配はないんですね・・・。参考になるんだか、参考にしない方がいいのかよくわからないお言葉を残し、先輩はいつもと変わらない様子でリードでいってしまった。トランシーバーに1P着と交信が入り登っていくが、アイゼンを置きたい場所は見えているのに、体が重たくて足がそこまで上がらない。2月カムイ岩に通っていた時ならもっと体が楽に動いたのに!!と登攀早々、甘かった自分にうな垂れる。2P目、垂直っぽくなっているところで落ちたが、天気が良いおかげでパニックにならず、ぶら下がりながら足を置く場所をしっかり確認して再トライ。この日の為に購入したアッセンダーを使ってみようか?と一瞬頭をよぎったが、自分の力で登りたかったのと、最後の砦の出番には早過ぎるだろう、と自分を戒め、登る。石井さんのもとに着くと、「落ちるようなところなんてありましたっけ?」。 憧れの化物岩頂上は無風で360℃の展望。ここが本当に化物岩?と信じがたい穏やかな陽気だった。30分近く休憩。D尾根下降ルンゼから降りようとしたが、下降ルンゼからレリーフまで降り、荷物を回収してまた中央陵基部まで戻るのは少々面倒なので、頂上のハイマツを支点に3Pの懸垂下降で取付きへ戻ってレリーフまで一気に尻滑り。石井さんのヘルメットを回収し、デポしたスキー・全装備を背負い中央陵基部へ。 雪洞作成開始。スノーソーを使って切り出していく。250cm×150cmくらいの広い雪洞の完成。棚もたくさん作り、天井も滑らかにしたのにまだ15時半。やることがないので、ラジオを聴きながらお茶を濁し、16時になるのを待って乾杯。今回お酒は少ししか持ってきていないのでチビチビ呑む。夕焼けに染まる八つ手岩が美しい。石井さんはおつまみだけ食べて、メインを食べずに就寝した。よくそれであれだけ動けますねぇ。私は雪洞の外に出て月明かりに浮き上がるカミホロを21時まで見続けた。ここは天国だなぁ、としみじみ思った。 雪洞は初体験だったが、とても静かで安眠でき、すっかり気に入った。

5時起床、7時発。左に北西陵、右に八つ手岩を見ながら中央陵の急な尾根を詰めていく。お正月の中央クロアールの悪夢を思い出すが、今日は天気も持つし大丈夫、と言い聞かせ9時取付き着。1P目、左側の壁にハーケンを打ってもらいセルフを取りビレー。雪陵を登り、イボイボを回収していく。最後に瓦状になっているところでテンションをかけた。2P目、キャメでビレー。「2P目が核心だそうです(by AMC会報No.6に記載あり)」と渡邉主張するが、石井さんは「読んでません、覚えてません」とのこと。あれって石井さん書いたんですよね・・・?2P目出だしのハングを超えた石井さんが振り返って一言「ここに核心なんてありません」。本当かいな?とドキドキしながらフォローするが、確かに核心は埋まっていた・・・?3P目ハーケンでビレー。3Pは雪壁となっていた。稜線に向けて直上。視界が段々と明るくなりはじめ、壁に遮られている太陽が段々近くなってくるのを感じ、あと2m、1m・・・!!と心拍数が上がり、一気に稜線に向かって突き上げた。当たり前だけど、アイスと違うのは登りきった先に、いい景色があるのが山なんだな、と思った。山はいいな!!

稜線は強風だけど、十勝岳も綺麗に見え、お正月の暴風雪よりは比較にならないくらいマシ。小休憩後、カミホロピークで記念撮影。下りたことないルートで、ということでカミホロ避難小屋の下降ルンゼから歩いて下りる。アイゼンに雪が付き、数歩歩いては叩き落さないと歩けない。巨大なアイス・モンスターがたくさんあり、目を奪われる。12時半雪洞着。雪洞内の棚に置いてあったゴミをキツネに漁られていた。こんなとこまで来るのか!春だな!我々の後に右クロアールに行ったパーティと一緒になり話しながら14時50分登山口P到着。

石橋を叩き割らないと一歩が踏み出せない私は、不安になったときいつも、これは大丈夫ですか、と何度も確認するのですが、石井さんは「経験上、大丈夫です」と仰り、それが大変心強く、その経験の蓄積と自信の裏付けがこれほどまでに揺るぎない強さになるのだな、と改めて思いました。 私もいつか誰かにこれは大丈夫か?と問われたとき、「経験上、大丈夫です」と確信をもって言える日が来るのだろうか?そのためにも何度も登って自分で納得し経験して自信をつけないとならない。 今回の山行を終えての課題は「カムイ岩でトレーニングを積むのみ」という苦行しかなく、来冬はカムイ岩とパラグーフォールでの修行の日々か…と思うと全然胸が躍りませんが、強くなるためにはやるしかないと納得しました(渋々?)。 また、Wアックスと縦爪アイゼンとロープ等の登攀装備を使って登ること、登る前の緊張感やそれを乗り越えて稜線に突き出たときの何物にも代え難い達成感、山の素晴らしいところも恐ろしいところも受け入れ対峙していく気持ちなど、こういうスタイル、アルパイン・クライミングの要素全てが好きなんだな、とまだ何度目かですが自分の中で実感として刻まれた二日間でした。 貴重な二日間を使って頂いて、雪洞泊など初体験を沢山させて頂いて、感謝しきりです。偉大な先輩、また来冬もカミホロで鍛えてください!! (渡邉あ)

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