9月月例山行「紅葉登山」赤岳

メンバー C L U久保、S L S木、O尾、A山、K原、N川、(+K山)

9/6(日)
820  銀泉台 ― 910 1700m地点 ― 1020  第3雪渓下 ― 1120 赤岳山頂 ― (小泉岳方面往復) ― 1205 赤岳山頂・昼食 ― 1325 駒草平 ― 1445 銀泉台

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 前日は雨が降っていたので、当日はその影響があることを心配していた。実際に集合場所に向かう途中ではガスの中を進む感じであったので、多少の不安を残したまま銀泉台に到着。曇ってはいたが、まずまずの天気。駐車場は思ったよりも混んでおり、来週からの自家用車乗り入れ規制を避けようと思うのは皆同じであるらしい。

 なお、なぜかK山さんが来ておりなんとなく一緒に出発することに。さらにK山さんはなぜか「S木さんなら大丈夫」と言って、登山道補修用の杭4本(1本7Kgとのこと)を背負子に縛り付けて持たせていた。2人の人間関係ならではの行動だと思っていたが、後にそうではないらしいことが判明。色々と謎の多いK山さんの行動であった。

さて、銀泉台はもともと銀河の滝の源流と考えられていたため、このような名前になったそうである。道を歩いてしばらくすると大雪横断道路の建設跡地に到着。1970年代に旭岳方面から銀泉台までを貫く「横断道路」の計画があった。同時に東川町から新得町トムラウシ温泉付近を繋ぐ「縦貫道路」の計画もあったのだが、環境保護運動の高まりを受けてどちらも頓挫した。もし2つの道路ができていたら、半世紀後の今はどのようになっていたのであろうか。貴重な自然が相当失われていたのではないかと思われる。曲がりなりにも自然の中で楽しませてもらう者の一人として、一時の経済的事情等でかけがえの無いものを永久に失うことは避けなければならないと考える。

 流石に花の時期は過ぎているものの、花期の遅いタカネトウウチソウを始め、ミヤマリンドウやアオノツガザクラ、エゾヒメクワガタなどが細々と残って咲いていた。一応紅葉を見に来ているのだが、まだ時期が早いので花の終わりと紅葉の始まりを見ていることになる。中途半端といえばその通りだが、ここは一挙両得と考えたい。

 奥の院(「奥の平」の看板があるところ。本当の奥の平は地図の通り、駒草平の先にある)からは溶岩崖(ようがんがい)を登って駒草平へ。ここは粘性の低い溶岩が流れて固まったところであり、そのため上部が平坦になっている。大雪山系に湿地が多いのはこの平たい地形が大きく関係している。

 駒草平ではコケモモやガンコウランがたくさんの実をつけていた。軽くヒメイソツツジや地名の元となったコマクサの解説をして第3雪渓に向かう。

 第3雪渓は本来ならば赤岳で最大の雪渓があるところである。しかし、時期が遅いことと近年の温暖化の影響もあってか全く雪はない。なお、今回の山行で残雪が見られたのは奥の院の横だけであった。第3雪渓では100mほど高度を上げ、全員しっかりした足取りだったのでそのまま第4雪渓へ向かう。しかし、ここでA山さんの顔に疲れが見え始める。100m登れたのだから、あと50mくらい大丈夫と思っていたのだが、それは間違いであった。幸いにも赤岳山頂に到着し、少し休憩するとA山さんは回復。ホッとした。

 今回赤岳を選んだのは、7月の緑岳山行で紹介できなかった構造土(土壌の凍結・融解により幾何学的な模様ができる)やエゾマメヤナギを皆さんに紹介することも個人的な目標としてあったためである。「紅葉登山」とはいささか趣が異なるが、合わせ技もありだと考えた。

 山頂でK山さんは先に出発して白雲小屋に向かい、我々は少し遅れて小泉岳方面へ。少し歩くと永久凍土のあるここでしか見られない植物(とはいえ、すでに花期を終えた「成れの果て」ばかりだが)が見られ、緑岳同様に山頂以降の様子がガラッと変わる。そして、大きめの石が不自然に並んだところが出てきた。構造土である。特に一直線になったものを「条線土」と言うのだが、さらに歩くとかなり直線的なものが見られた。また、前回見逃していたエゾマメヤナギ(世界最小のヤナギ。れっきとした木本である。)も紹介することができた。

 さて、前回(7月の緑岳)に引き続き3人の方が(懲りずに?)参加してくれた。

 S木さん:今回もS Lを引き受けてくれてありがとうございます。K山さんの無茶振りにも断ることなくチャレンジする姿勢が素晴らしいです。

 N川さん:非常に勉強熱心で、今回は図鑑を持参されていましたね。こちらも身が引き締まる思いです。私ももっと勉強します。

 K原さん:N川さん同様に色々なことに興味を持たれていますね。つい余計なことを話してしまいます。なお、ゴローの登山靴は重いですが、頑丈で耐久性は折り紙付きです。革靴を履く同好の士が増えるのは嬉しいです。

 今回久しぶりにご一緒したお2人(+1人)は、

 O尾さん:相変わらず、足腰が達者ですね。やはり、お若い時に鍛えた身体とカバノアナタケ茶のお陰でしょうか?

A山さん:年齢を重ねても新たなことに躊躇なくチャレンジする姿勢はぜひ見習いたいです。大分刺激を受けました。

K山さん:S木さんへの無茶振りなど、予測のできない行動はなかなか見ていて楽しかったです。小屋の仕事を頑張ってください。

皆さん、今回も楽しい山行をありがとうございます!

U久保)