八の沢~カムイエクチカウシ山 2017.7.7~9

メンバー:宇野(吉)、宇野(ふ)、佐藤、渡邉(あ) 7/7 11:30札内ヒュッテ発 12:45七の沢出合 13:55八の沢出合 18:20八の沢カール着  7/8 8:10カール発 9:45カムエク 11:15八の沢カール着 12:00八の沢カール発 15:00八の沢出合着  7/9 8:45八の沢出合発 10:30七の沢出合 11:30札内ヒュッテ着 

カムエク八の沢、実に高校夏合宿以来23年ぶりとなる。当時は山を始めたばかりで、訳も分からず先生に連れて行ってもらった。コイカクまでの藪漕ぎも力任せに進み、体力を消耗した。水を飲み干し、体力、気力も限界を迎えたのも記憶に新しい。しかし、あの稜線から見た日高の山脈が私の人生を変えたと言ってもいい。 このルートを妻と再登することになるとは思いもよらなかった。また、素敵な山友と余裕の日程で焚火を囲み、語り合えるのも楽しみでならなかった。普段はタイトなスケジュールでせかせかしているが、たまにはゆとりを持って山を満喫するのもいいものだ。 初日はカールまでだが、人気ルートで踏み跡、巻き道は明瞭だが、雪渓の処理は注意が必要であった。カールはやはり別天地、天国に昇って来たかのような場所である。日も長く、安着祝いをしながらゆっくりと支度をして、今晩は佐藤さんのスペシャルディナー。肉が柔らかくておいしかった。 2日目はいよいよカムエクアタック。カールで一緒の2人パーティー、下からの単独行者を見送りながらのんびりと朝食をいただいてスタートした。稜線に上がるとコイボクカールには若い羆が雪渓を滑って遊んでいた。暑いのか何度も滑って、寝そべっていた。幸せを噛みしめながらカムエクピークへ。久々の夏のカムエク!南北が全て見える。今見ても高校生でよくこの稜線を猛暑のなか、コイカクまで歩いたものだと感心する。次は沢から登頂かな、などと思いを馳せながら下山を開始した。 のんびり八の沢出合まで下り、釣りを楽しむ。沢登りで釣りをするとは、ほとんど記憶がないほど久しぶりだ。オショロコマにカジカも釣れ、いい肴になった。焚火を囲んで今夜は夏合宿初日に先生が作ってくれた思い出のポトフを食べた。宴は夜まで続き、話に花が咲き、テントに入った記憶もないまま朝を迎えた。 ああ、もう下山日か。やはり3泊以上しないと山にいる気がしないというか、浄化されないというか、あっという間の気がする。途中、深みに飛び込み、遊びながら七の沢出合に到着した。のんびりゆとりのある最高の山行だった。 【宇野(吉)】

帯広市内の気温が30℃以上の快晴。体力の塊3人衆のザックは私のより遥かにヘビー級(殆ど宴会用品)なのにハイスピード。必死について行こうと頑張るが、さすがに辛く八の沢出合いまで途中クラクラした。出合からはロープやバイルを使う場面は無く、登山道のような巻道で、カール手前の雪渓が崩れそうで急なこと以外は問題なく登れた。軽アイゼンが必要だとすれ違った人からアドバイスをもらったが、上手くリーダーが巻いてくれたおかげで何事もなくカール到着。日が暮れ始めると寒かったが、下から吹いてくる生暖かい風が心地良かった。次日も暑く快晴。やんちゃな羆を遠目にあっけなくピークに到着し日高山脈の全貌が一気に見える。次回の山行について稜線を確認するが、厳しい稜線ばかりでぐったりしてくる。一気に出合まで下山し焚火を囲んで深夜まで宴会。時間に余裕のある山行は最高に楽しい。人気コースであるのが納得できる、充実した山行だった。途中すれ違った2組のおじ様の滑落や道迷いの話を聞き、単独では怖くて登れそうもないと力の無さを感じた。 【宇野(ふ)】

 いつも冬山でしか行ったことのない日高、それも以前から行きたかったカムエク。天候も良さそうだし、この機を逃せば次まで遠のく・・・と、仕事の休みを何とかもらい参加させてもらうこととなった。幸いにも下界の気温は30度を超え、良い避暑地ともなった。  8日、札内ヒュッテからの自転車乗りはザックを背負いながらの運転。すぐの長いトンネルのなかは嘘のようにヒンヤリ!多少のアップダウンのなか急な坂や深い砂利でハンドルを取られそうなところは手押しで進む。ふみさんは前後に 籠の付いたママチャリ。普段は買い出しで食糧満載で走るのだそうだ…頼もしい。パンクしないことを祈りながら、7の沢出会いで自転車デポ。他に、自転車1台が放置してあったが、その登山者とも途中出逢う。 8の沢までは順調に渡渉しながらテン場に到着。2張のテントがあったが、その各持ち主とも登り中に会う。小休止後は8の沢カールを目指して一気に登る。途中、あゆみさんから荷物を少し持ってくれないか?とのことで引き受けるが、カール手前最後の急登では少々息を切らしてしまう。余計なもの(特にドリンク系3種類)を少し持ってき過ぎたか!と思いながら気付けばあっとい間にカールに到着。大根おろし風ロースステーキ、マッシュポテト、コンソメスープとビールで心身を労わる。  9日、6時起床とのことになったが、すでに明るくなっていた3時半頃から目が覚め出す。その時、宇野君がテントから身を出し朝焼けを撮影。また入り、すぐに横になる。なかなかだな~と思った。さまざまな野鳥の鳴き声に耳を傾けながら起床。朝食はあゆみさん段取りのスープパスタと餅各3個を食した後、ゆるりと身支度をしてピークアタックを目指す。2組の登山者とすれ違いながら、ピーク間近というところで、宇野君が「あっ、熊だ!」と遠くの方へ指を指す。コイボクカール方面、500メートルは離れていたか。熊は悠々と実?を食べていた。そのままピークを目指しとうとうピークに!天候は快晴。日高山群を一望出来るほか、遠くは十勝岳連峰も見られた。冬山 では幾多の天候不良で遥か向こうの山々を見られなかっただけに、素晴らしい風景を見ることが出来た。記念撮影を終え、40分程ゆっくした後下山。もういないであろう熊はまだ滞在中だった。しばらく見下ろしていると、雪渓の上を歩きだした。滑って転んだ…と見続けていると、どうやら熊も熱いらしい。助走をつけてうつむせのまま大の字になって滑ったり、横にゴロンと回転したりと、見ているこっちまで楽しくなった。向こうも気付いたせいか?反対側へ一目散に凹凸、雪渓も気にせず走り下って行き、あっという間に見えなくなった。テント撤収後、そのまま下山。8の沢カール出会いでテントを張る。昨年夏の台風で大量に出たと思われる枯れ木を集め、太い木は宇野君の手鋸で2本に分けて切りそ れを土台にして火を起こす。少し時間があったので、宇野君と自分の竿2本で釣りを楽しむ。収穫はイワナとカジカ。それを宇野君がその辺の木の枝を鉈で鋭状に仕上げ、それに魚を串刺し炙って食したが、格別な味だった。夕食は宇野夫妻手製のポトフとデザートにはプリン。食後の夜も焚火に身を寄せ、有り余る(結局は余った)お酒と月明かりに照らされながら談笑を楽しむ。  10日は遅く行動をとっても昼には着くのでゆっくりと朝食をすます。下山途中、ザックを下し滝壺ダイブを楽しみながら無事山行を終えることが出来た。  宇野夫妻、あゆみさんから貴重な沢泊体験を楽しむことが出来た。宇野君の持っていた鉈、欲しくなってきたな~!【佐藤】

昨年計画したが、台風で通行止めとなったため一年越しとなった憧れのカムエク。男性陣のスピードが速く、ふみさんと近況報告…どころじゃなく河原歩きでバテバテ。途中、共同装備を元気な男性陣に託し、スピードをゆるめてもらった。雪渓、登山道のような巻き道を越え、八の沢カールに着いたとき、ひっそりと静かでまるで時が止まっているようで、天国に着いたかと思った。そんな場所で一晩過ごせるなんてこんなに幸せなことはない。アタック日、稜線から見たコイボクカールにヒグマがいた。カッパも食料も持たないで縦横無尽に日高を歩き回れるヒグマが心底羨ましい。カムエクピークでは国境稜線を頭に叩き込むことで忙しかった。北日高は大きく、どっしりとしている。南下する場合、ここまでは来れるだろうと思い嬉しくなった。南日高は遠くてあまり見えなかった。男性陣はビールを5ℓ持ってきていた。愉快な仲間達と日高の夏を満喫した。【渡邉あ】