2023.5.3〜5 芽室岳〜ピパイロ岳〜伏美岳縦走

メンバー:S藤ak、S藤ay
5/3 5:00東川発 8:30芽室岳登山口 13:00芽室岳 15:00 C1,633m、C1作成
 

芽室川が増水し、徒渉点を探すのに30分もかかってしまった。結局諦めて裸足になり徒渉。しばらくは雪がない登山道を進み、C1,000mから雪が出てきて、アイゼンを履いて芽室岳ピークへ。芽室岳以降は、時折突風が吹くが、廊下状態となった稜線は歩きやすく、あっけないほど順調な滑り出しでC1,633mまで進みC1とした。
ハイマツの陰にテントを張ったが、ブロックを積むのをサボったせいで、夜はテントが持ち上がるんじゃないかと言うほどの強風で二人ともほとんど寝られず朝を迎えた。

【C1からの芽室岳】

5/4 5:00 C1発 7:30 C1,726m 9:37ルベシベ分岐 12:54 C1,696m 15:06 C1,712m 16:15C1,590m C2着 17:30C2作成
3時起床、下界は夏日の予報だが、山は風が強いので熱くない。アイゼンで5時に出発。

歩きやすい広い雪庇が続き、北日高が一望できる夢のような時間を噛み締めるのも束の間、C1,726mへの200mの登り返しでは風に煽られかなり消耗。その先は大きなアップダウンはないが雪庇がいやらしくなり、藪漕ぎもしたくないので、ハイマツと雪庇の際を歩いて神経がすり減った。

ルベシベ分岐を越えるとハイマツ漕ぎとなったが、尾根上を忠実に下りるのではなく、C1,644mから西の沢に下りていたら藪漕ぎなしでC1,559mに到達できたと見上げてわかったが後の祭りである。

その先も藪漕ぎといやらしい雪庇帯が続き、C1,707m手前からC1,712m間はヤセ尾根の岩稜帯で強風に煽られながら慎重に進む。
C1,712mからC1,590mまでは風速20mを越えるような爆風の中、1時間以上のハイマツ漕ぎ。疲労でヨレヨレ、目標のテンバが見えているのに近づかない。ハイマツを踏ん付ける脚力もなくなってきて、ハイマツに跳ね返されて転び、やっと起き上がったら突風に煽られて転び、放心状態となる。ハイマツ帯で転ぶのは、全装スキーで転ぶのと同じくらい大変なのだと発見があった。ズボンもスパッツもアイゼンが引っかかり破れてしまった。
ヘロヘロになりながら最低コルの1,590mまで辿り着き、爆風の中、固い雪庇を30分切り崩し、C2設営。
12時間近い行動で二人とも疲労困憊だが、風も凌げ、縦走の貫徹が間近となり、ぐっすりと眠れた。

5/5 6:10 C2発 7:48稜線 8:37パイロ岳 12:14美岳 14:13伏美小屋 16:13林道入口着
4時起床。風もすっかり弱まり、一番の好天が広がる。気持ちははやり稜線までの急登350mを一気に登る。ここが壁のようになっていたら、と心配していたが、ブッシュも出ていて、それを掴んだりしながら、アイゼン・ストックで登っていけた。
稜線に出てからアイゼンを脱ぎ、登山道を歩いて、快晴のピパイロに到着。一時は遠くて諦めていたルートを、三日間好天に恵まれた中、繋げることができ感無量になる。
その先は登山道や雪庇を行ったり来たりしながら、伏美へ向かうが、無風で直射日光が照りつける中の300mの登り返しはとてもキツかった。
伏美に着いてU野氏にLINEで状況を報告。後ろ髪を引かれながら稜線を後にする。
C1,200mから雪が途絶え登山道を下り、小屋で一休みし、林道を歩いていると、U野夫妻と犬がサプライズで迎えに来てくれた!芽室の登山口から配車をしてくださったが、まさかここまで労いのためにトレランで迎えに来てくれるとは。疲れも吹き飛び、退屈な林道歩きがあっという間だった。
【歩いてきた道。右端の奥が芽室岳。めちゃめちゃ遠い。】

共同装備はakがほとんど持ってくれたこと(出発時はザック重量26kg)、U野氏の配車のおかげで3泊の予定が2泊に短縮できた。スノーシューは履かなかった。連続する大きなアップダウンや核心となるような岩場やナイフリッジなどはなかった。
素晴らしい経験をさせてくれた日高の山々、パートナー、サポートしてくださったU野夫妻に感謝!(S藤ay)