原始ヶ原徘徊 2024.1.3~6

メンバー:R家、SakiS原、Say

 

様々な事情により隊員が半数になってしまったヤセ尾根登山隊。いつもと趣向を変え、今回はヤセ尾根ではなく、水平移動の旅、原始ヶ原湿原にどっぷり浸かることとなった。

 

13日 9:30本幸最終除雪地点 12:00秋雲橋 13:07原始ヶ原登山口 15:32三の沢上流BC設営

登山口までのアプローチが一番短い最終除雪地点を探したりしているうちに出発が遅れてしまった。最終民家に駐車の許可を取って、4人でスネ程度のラッセルを漕いでいく。五反沼にBC設営予定だったが、とても行けそうにない。なんとか三ノ沢の右岸、原始ヶ原湿原の末端まで上がり、テントを設営。安着祝いをしながら、明日テントを下ホロに近づけ、明後日下ホロにアタックするか、明日荷物を軽くして日帰りロングアタックにかけるか会議をしたが、明後日は天気が崩れる予定のため、快晴の明日、下ホロへロングアタックをかけることにした。

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【三泊お世話になったBC】

 

14日 4:00起床 6:00BC発 7:52五反沼 11:35Co1269下ホロのコル~引き返し 16:11BC戻り 

二日目、起床時刻4時、張り切ってヘッデンで歩き出す。徐々に明るくなり、周囲がモルゲンロートに染まる。標高1,050mを保ちながら、ひたすら水平移動をするが、広大すぎて距離感がつかめない。更に細かなアップダウン、複雑な地図読みが必要となる。S原隊員は地図読みでアドレナリンが出ているらしく、冴えまくっている。まるで一度下見に来たみたいで心強いことこの上ない。1つ目の沢はまだ雪が少なく、スノーブリッジを探しに右往左往したが、心配していたシーソラプチ川は良いスノーブリッジがあり問題なく渡れた。11時半、下ホロのコルまで辿り着いた。一体は湿原で平らになり、東にはニペソツや石狩岳が見え、天国のような別天地が広がっていた。R家隊長は昔ここに泊まったことがあるらしく羨ましい。ただし、ここから下ホロピークまでは高低差500m、2時間以上はかかる。帰りも長いので無理はできない、と判断し、残念ながらここで引き返すことにする。スピードが遅いわけではなく、下ホロが遠すぎたのだ。BCに戻る途中、一帯が夕日に照らされ黄金色になった。往復22kmの長い長い道のりだった。 

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【富良野岳を振り返る】
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【下ホロのコルにて】

 

15日 5:00起床 7:15BC発 9:43東尾根のコルCo1359 10:30前富良野岳 12:20BC戻り

三日目、なんとしてでも1つくらいピークを踏みたい、という全員の強い思いで、前富良野岳へ。東のコルをめがけて歩いていたが、富良野岳西側まで行き過ぎてしまい、軌道修正。コルにシーデポし、アイゼンに履き替える。徐々に風雪が強くなり、これぞ「冬の祭り」という感じで全員張り切って登る。R家隊長は「このために生きている」と言っていた。私もそう。視界が効かないため、こまめに赤旗を置いていき、バリズボで満身創痍になりながらピークへ。下りは束の間のスキーを堪能し12時半にはBCに着き、大宴会。

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16日 6:00起床 7:55BC撤収 8:40登山口 10:30最終除雪地点着

四日目、計画ではトウヤウスベ~大麓山を回って帰る予定だったが、全装で五反沼まで行き、更に昨日見上げたあの長い尾根を行くこと、ピンポイントで秋雲橋に下りることが不可能と判断し、そのまま帰ることに。林道のトレースを滑り降りるだけと気を抜いていたが、気温が上がり、スキーが高下駄となり苦しみながら駐車場に着いた。

【冬でも凍らない五反沼】


下ホロにアタックした日は快晴無風で、周囲の地形を見ながら歩けたが、視界がないときは心が折れると思う。次回はカミホロ~下ホロを繋げ、下ホロのコルで泊まりたい。(記 Say